あなたの脳内処理速度、遅くないですか?
目の前に課題がやってきた。
その課題にあなたは対処しなければならない。
あなたはその対処法を決定するまでにどれほどの時間が掛かるだろうか。
ここで問いたいのは課題を解決するのに掛かる時間ではない。
課題の解決策を決定し、行動に移すまでの時間である。
もちろん、それは課題の難易度と個人の性格に依存するケースが多い。
定食屋で今日のランチを決めるのと、北朝鮮のミサイル問題についてレポートを書くのとではわけが違う。
前者の場合、ランチを決めるために行うことは席についてメニューを見ることただそれだけであり、後者はメディアから情報を集めるのか、はたまたなんとかして北朝鮮に入国し現地調査を行うのか、まずはそこを決めなければならない。
また、個々の性格にも左右される。慎重派の人は自身の最善解を出すまでに頭の中で何度もシミュレーションするかもしれない。「私の体が今、誠に欲している食材は何だろうか」と。逆に、アクティブな人は何も考えずに行動し始めるかもしれない。「行ったことないし行ってみるか、北朝鮮」などと周りからは冗談なのか本気なのか検討のつかない発言をする。
つまるところこれは全くケースバイケースで、早いとか遅いとかを決める普遍的な判断基準は存在しない。
けれど近頃、「仕事のできる人ほどレスが早い」みたいなことがよく言われている。
どうゆうことなのだろうか。
ランチから戻り、席に着いたあなたの元に一通のlineが届く。大学時代の友人からだ。内容はいたってシンプルで、今夜飲みに行かないか、というもの。互いに特に用事があるわけではない。あなたは考える。今日は何時に退社できるだろうか、帰ってからしなければならない仕事はあるか、今日上司に誘われる可能性はないだろうか、そもそも私は酒が飲みたいのか、今日は地上波でスターウォーズだ、でもあいつから誘ってくんの珍しいな、というかやっぱ酒のみたいな、てか仕事だりー。
そして'未読'のままあなたは仕事へ戻る。
自身を含めた複数のステークホルダーの最適解を瞬時に出すのはなかなか難しい。
溢れ出てくる欲求と日常生活の折り合い、友人への配慮、社会的地位の保守と上司への媚売り、ヨーダ、ただの友人からの誘いなのに考えることは意外と多かったりする。結果、結論を出さぬまま、こんなことに時間をかけている場合でない、と本能的に思考を停止させてしまう。
そう、仕事のできない人の典型例だ。
ではこの場合、レスポンスの早さに命をかければ仕事のできる人になれるのだろうか。
答えは否である。
何も考えずに友人へ返信するのではなく、色々な事象を想定しながら最善の返信を行う。
友人への返信に時間をかけるより仕事を優先する。
何も間違っていない。その結果、メールの返信がペンディングになってしまったとしても、とてもロジカルな結果だ。
問題は、瞬間的に最善の解を導き出せない脳内処理速度の遅さ、である。
ただ、この点に関しても、冒頭で述べたように、仕方のない部分がある。
例えば、慎重派の人は行動派の人より計算量が多かったりする。行動派は飲みにいきたいかどうか、という式のみを解くのに対し、慎重派は上司への断り方、という式まで解かないといけなかったりする。
加えて、そもそものスペックも様々だ。
だからやっぱり、個人差がある。
じゃあ「仕事のできる人ほどレスが早い」、は嘘なのか。
これまた答えは否だ。
実は計算量に関わらず、脳内処理速度を爆速的に上げる方法が一つある。
それは、サーバーを回し続けることだ。
友人からのlineが来るたびに、
自分がどれほど酒を飲みたいのか、どれほど友人に会いたいのか、どれほどスターウォーズを見たいのか、
それらのパラメーターへアクセスしていては時間がかかってしょうがない。
つまり、友人からのlineを見る前から、自分がどれほど酒を飲みたいのかはっきりさせておけばいい。
けど、自分がどれほど酒を飲みたいのか、この数値は絶えず変化する。
だから、サーバーを止めてはいけない。
仕事のできない人は、課題が目の前に来てからサーバーをオンにする。
それから各パラメーターの値を算出し、そこからやっと課題に関わる計算を行っていく。
対して、サーバーを回し続けることができれば、パラメーターは瞬間的に引っ張って来ることができるので、最終的な計算を行うだけでいい。linenの返信内容も即刻算出されるというわけだ。
この観点を持って、仕事のできる人を見てみてほしい。
彼らは例外なく、サーバーが回り続けている。
そして、それが確認できたら、あなたも是非、サーバーを回し続けてみよう。